NHK-FM「吹奏楽のひびき」の記録です。
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第42回目放送は下記の曲でした。
- 兼田敏の世界 - 「日本民謡組曲“わらべ唄”から“山寺の和尚さん”」 わらべ唄、兼田 敏・編曲 (2分30秒) (吹奏楽)東京佼成ウインドオーケストラ (指揮)小田野宏之 <佼成出版社 KOCD-2901> 「吹奏楽のためのディヴェルティメント」 兼田 敏・作曲 (6分30秒) (吹奏楽)大阪市音楽団 (指揮)朝比奈 隆 <キングレコード KICC-408> 「吹奏楽のための交響的音頭」 兼田 敏・作曲 (4分55秒) (吹奏楽)大阪府音楽団 (指揮)汐澤 安彦 <東芝EMI TOCZ-9301> 「陽気な高校生」 兼田 敏・作曲 (2分35秒) (吹奏楽)海上自衛隊東京音楽隊 (指揮)竹村 純一 <キングレコード KICW-3014> 「シンフォニック・バンドのためのパッサカリア」兼田 敏・作曲 (6分15秒) (指揮)汐澤 安彦 (吹奏楽)東京アンサンブルアカデミー <日本コロムビア COCG-13098> 邦人だれか1人に焦点をあてて特集を組んだことがなかったのですが、ずっとやりたいと思っていました。 で、その第一弾にするに相応しい人は、と言えば、やはりこの人になるのではないでしょうか。 折しも兼田が亡くなったのは7年前(2002年)の5月19日。七回忌には一年遅いのですが、その功績を振り返ってみました。 作品集も出ていたりするので、代表作はあらかた聴けちゃう時代なのですが、個人的に名演奏だと思っているものを集めてみました。特に「音頭」と「パッサカリア」は、私はこの演奏が好みです。 本当のところは、もっと珍しい曲も紹介したかったのですが。 我が家には京都国体のときの「行進曲・京都」「光に向かって」の音源があります。が、これらはテープ、しかも、本番での実況録音のためノイズ(というより会場の音)が入っていて、「曲を聴く」という感じにはならず、断念しました。 「代表作がはっきりしている」というのは、実は危険なことです。それさえ演奏すればいい、ということになってしまいがちですので。 例えばヴォーン=ウィリアムズは「イギリス民謡組曲」「海の歌」「トッカータ・マルツィアーレ」「フローリッシュ」あたりはよく演奏されますが、これの影となって「コンチェルト・グロッソ」(1924)、行進曲「黄金の虚栄」(1933)、「イギリスの心地よい大地」(1938/合唱付)、「3つのウェールズの賛歌による前奏曲」(1955)といった吹奏楽曲は演奏されません。 「古典を大事にする」ということを隠れ蓑にして「これだけ紹介してればいいや」ということにはしたくないな、とは常に思っているのですが、なかなか・・・・・ (だって音源が売られてないんですもん) PR
第41回目放送は下記の曲でした。
- アメリカの作曲集団BCMインターナショナル - 「エクウス」 エリック・ウィテカー作曲 (9分00秒) (吹奏楽)東京吹奏楽団 (指揮)エリック・ウィテカー <ベーシック・ビデオ・アーツ BCD-20103> 「トランゼンデンタル・ダンス・オブ・ジョイ」 ジェームズ・ボニー作曲 (5分50秒) (吹奏楽)ウインドアンサンブルX (指揮)ミルト・アレン <BCM INTERNATIONAL BCM INTERNATIONAL 2004> 「ムーン・バイ・ナイト」 ジョナサン・ニューマン作曲 (4分05秒) (吹奏楽)おかやま山陽高等学校吹奏楽部 (吹奏楽)六条院吹奏楽団 (指揮)松本 壮史 <ブレーン株式会社 BOCD-7174> 「メタ・マーチ」 スティーヴン・ブライアント作曲 (4分05秒) (吹奏楽)タールトン州立大学ウインドアンサンブル (指揮)ジョナサン・フーパー <BCM INTERNATIONAL BCM INTERNATIONAL 2004> 一昔前に「ゴースト・トレイン」などで人気になったウィテカー、そして「スウィート・ドリームス」や「レイディアント・ジョイ」、「アクシス・ムンディ」などで注目を集めているブライアントなどが所属する「BCMインターナショナル」を特集しました。 コリリアーノ門下を中心に、アメリカの現代音楽によくあるスタイルである「サブ・カルの要素を盛り込んだ現代音楽」を、巧みなセンスで吹奏楽上に展開しているグループです。 その作品の多くは、彼らのwebサイト(特に、そこからリンクされている個人個人のサイト)で音を聴くことができます。 色々調べてみたら、あまり知られていない面白いエピソードがありました。 「BCM」が何の略か、というのは秘密にされています。それについてメンバーが語ったインタビューの記事や、フォーラムでのやりとりでは、彼らの茶目っ気っぷりが伺えます。 また、メンバー中、ボニーだけがジュリアード卒ではないのですが、彼がメンバーとなった経緯も面白いです。 ちなみに、ボニーだけは、どんな資料をひっくり返しても生まれた年が出てきませんでした。 そこで、JWECC代表でもあり、彼らと親しい仲田守さんに、直接訊いてもらいました。有り難うございました(ちなみに1970年生まれだそうです)。 最近は、ブライアント以外のメンバーは吹奏楽以外の分野の方にスイッチしてきてるとのこと。 それは残念なことですが、やがて他分野の経験を生かした吹奏楽作品を書いてくれることを願っています。
第40回目放送は下記の曲でした。
- バンドの楽器を知ろう - 「笛吹きパンの物語」 ジョージ・クラインジンガー作曲 (16分55秒) (語り)姫 ゆり子 (吹奏楽)東京佼成吹奏楽団 (指揮)福田 一雄 <東芝EMI EMI CZ28-9118> 「オーケストラに会おう」 ベルト・アッペルモント作曲 (7分30秒) (吹奏楽)ベルギー・ギィデ交響吹奏楽団 (指揮)イヴ・セフルス <BERIATO BERIATO WSR-043> スクール・バンドでは そろそろ新入生の楽器が決まる頃。この春から吹奏楽に興味を持った人も多かろう、ということで、楽器紹介の回を設けてみました。 ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」みたいな曲を採り上げようと思った次第。 そういう傾向のものは意外と無いんですね。2009年3月号のバンドジャーナル付録に福島弘和さんが書いた「森の音楽隊」とかよかったのですが、音源が市販されてないし。 バーンズ「パガニーニの主題による幻想変奏曲」なんか、そういう風に使ってもいいんですが、長い&ナレーション入れられないので、ちょっと無理。 30分番組で、なんとかいい内容に出来ないか、と試行錯誤した結果がこうなりました。これだけビチッとはまると、なかなか嬉しくなります。 図らずも40年前の録音と、最近の録音、という組み合わせ。かたやアメリカでかたやヨーロッパ。前者は楽器の「原理」を主眼とし、後者は各楽器の「個性」に重きを置いた、と、好対照となってくれました。 何と言っても時間がピッタリ。 クラインジンガーは、ナレーション付きの音楽作品をたくさん作っています。オケなんかも多いですが、吹奏楽では他にも「テューバ吹きのタビーちゃん」が有名です。この「タビーちゃん」は、アメリカではほとんどの子供が知っているほど広まっている作品なんだとか。 今回使ったのは、佼成ウインドがまだ「東京佼成吹奏楽団」だった頃の録音。ナレーションの姫ゆり子さんは、現在72歳の大女優(なので30代前半のときの録音)。 「笛吹きパン」は、吹奏楽版だけではなく、オーケストラ版もあること(というよりオケ版が先)は、意外と知られていません。 そのオケ版はネット上で聴くこともできるので、そちらもお楽しみ下さい。 アッペルモントは、最近 佼成ウインドが自作自演で作品集を出したりと、特に注目を集めているので、トレンドという意味でも紹介してみました。 スコアの大部分が出版社のページからダウンロードできるので、興味を持った人は見てみるのも面白いでしょう。 わずかな時間にこれだけのソロを埋め込むのは大変かと思いますが、ちょっと曲としてのまとまりに欠いているのは惜しい感じですが。
第39回目放送は下記の曲でした。
- シエナ・ウインド・オーケストラ演奏会から - 「庶民のファンファーレ」 コープランド作曲 (3分10秒) (吹奏楽)シエナ・ウインド・オーケストラ (指揮)金 聖響 「キューバ序曲」 ガーシュウィン作曲、真島俊夫・編曲 (10分20秒) (吹奏楽)シエナ・ウインド・オーケストラ (指揮)金 聖響 「サロン・メキシコ」 コープランド作曲、マーク・ハインズレー編曲 (10分55秒) (吹奏楽)シエナ・ウインド・オーケストラ (指揮)金 聖響 ~東京芸術劇場で収録~ <2008/12/13> 演奏会のライヴ録音シリーズにシエナ登場です。 このコンサートと同じ選曲のCDが発売されることになっていますが、そちらはセッション・レコーディング。こちらはライヴです。 いつもなら演奏会のライヴ音源は2週分作成するのですが、今回は諸事情により、一本分となってしまったのが残念。 曲名は、NHKの定訳によります。 「庶民のファンファーレ」は「市民のファンファーレ」のこと。元々の意味としては「庶民」の方が近いのですが(「兵士」の対義語的な用いられ方) 「サロン・メキシコ」は、「エル・サロン・メヒコ」。こう書かれると、ちょっと違和感ありますね。 個人的にシエナのヴィヴィッドなサウンドは大好きです。なかなか「コンサートのライヴ」を録るのは色々な要素が絡んで実現が難しかったのですが、今回紹介できてよかったです。 次はオリジナル作品の演奏も紹介してみたいですね。
第38回目放送は下記の曲でした。
- ヘンデルの吹奏楽~没後250年によせて - 「王宮の花火の音楽」 ヘンデル作曲 (20分10秒) (演奏)キングズ・コンソート (指揮)ロバート・キング <HYPERION HYPERION CDA20350> 「オラトリオ“サムソン”から 序曲」 ヘンデル作曲、ポール・ホエアー編曲 (4分10秒) (吹奏楽)北九州市立響南中学校 (指揮)田畑 俊彦 <ソニー・レコード SONY SRCR-2206> 没後250年のヘンデルイヤーである今年、4月14日が命日ということで、企画してみました。 放送中でも触れた通り「いわゆるクラシックの作曲家が書いた」、「50人以上で演奏する管打楽器合奏」で最も古いのは、恐らくこの曲。 実際のところ、ヘンデル自身は管打楽器だけで演奏するのには反対だったらしい、ということや、初演は雨が降ったのに加えて花火が引火して火事になったり、と、それほど恵まれた出自ではなかったのかもしれませんが、音楽史に燦然と輝く吹奏楽曲ということで、一回しっかりと採り上げてみた次第。 管打楽器のみによる演奏のCDは意外と手に入らない(あっても楽器の数が少なかったり、現代の楽器だったりする)のですが、これは初演と同じく管打楽器のみで古楽器使用のものでした。 独特の響き(調律自体が違う)がして面白いのですが、「古楽の響き」で「王宮の花火」を楽しむなら、エルヴェ・ニケ指揮:コンセール・スピリテュエルのCDがお勧めです。弦が入っているので、この番組では紹介できませんでしたが、とにかく強烈な演奏です。 YouTubeに一部動画もあるみたいです。当時の管楽器は見てるだけで楽しいです。 さて、もう一曲は、1970年の吹奏楽コンクールの課題曲になったヘンデル作品。これを当時のコンクールの演奏で、という趣旨。 アレンジ作品が課題曲になったことがある(過去に2曲だけ)、というのも意外かも。 「ヘンデル」と「コンクール」は、一見縁が無さそうですね。普段から「王宮の花火」を聴く人は「コンクール」に興味を持つことは少ないでしょうし、「コンクール」が好きな人が普段「王宮の花火」などに関心があるか、というと難しいところ。 なので、意外な接点がある場合には、ここぞとばかりに強調した解説をするように心がけてます。 今回の場合は、「1970年は金銀銅に制度が変わった年」「この響南中学が初の金賞」などと、思いっきり《コンクール視点》に近づいてみました。 ちなみに、この響南中学は、統廃合により無くなってしまっているそうです。豊島十中(明豊中となった後に統廃合で消滅)もそうですが、当時の有名校のその後にまで関心を持っている人は、あまりいないみたいですね。 時間がもう少し余れば「見よ、勇者は帰る」の保科洋編曲版(国体でよく使われる)なんてのも紹介したかったのですが、残念。 |
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