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NHK-FM「吹奏楽のひびき」の記録です。 非公式ページですので、悪しからず。
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 第57回目放送は下記の曲でした。

 - ポップス・ステージの名曲・名演 -

「この素晴らしき世界」
      ボブ・シール&ジョージ・デーヴィッド・ワイス作曲
                      黒川さやか・編曲
                       (4分10秒)
           (吹奏楽)向陽台高等学校ウインドバンド
                     (指揮)郷間 幹男
            <ウィンズスコア LPW-0801>

「エル・クンバンチェロ」
        ラファエル・エルナンデス作曲、小島里美・編曲
                       (3分25秒)
           (吹奏楽)東京佼成ウインドオーケストラ
                     (指揮)齊藤 一郎
             <佼成出版社 KOCD-0801>

「イパネマの娘」
     アントニオ・カルロス・ジョビン作曲、天野正道・編曲
                       (5分00秒)
             (吹奏楽)航空自衛隊航空中央音楽隊
                     (指揮)天野 正道
            <キングレコード KICC-791>

「私のお気に入り」リチャード・ロジャーズ作曲、宮川彬良・編曲
                       (4分30秒)
           (吹奏楽)東京佼成ウインドオーケストラ
                     (指揮)岩井 直溥
             <東芝EMI TOCZ-9251>

「ルパン三世のテーマ」    大野雄二・作曲、星出尚志・編曲
                       (4分10秒)
           (吹奏楽)大江戸ウィンド・オーケストラ
                     (指揮)時任 康文
    <MONDAY RECORDS IEJB-0002>


 文化祭シーズンということで、ポップス・ステージの特集。

 これまでに、ゲストに斉木小太郎さんや関口義人さんをお招きして、ブラス・サウンドの活躍する色々なポップスを度々紹介してきました。
 もちろん、それらも広義で「吹奏楽」なわけですが、いわゆる吹奏楽人が想起する吹奏楽サウンドとは、ちょっと距離があるような感じもしました。
 その理由がどこにあるかを考えてみたのですが、たぶん、「1つの旋律を演奏するのが、1人なのか、同時多数なのか」という点にあるのではないでしょうか。「リーダーの有無」と言い換えることもできるかもしれませんが。

 ソロを重視する これまでに紹介してきたものと、いわゆる吹奏楽団が演奏する「シンフォニック・ポップス」。この距離を再確認するために、一度特集しておく必要があったように思います。
 「吹奏楽のポップスは偽物」という批判はたびたび耳にしますが、そもそもはサウンドの在り方、合奏(セッション)の方向性が、根本的に違うものなのでしょう。


 さてさて、一昔前と比べて、吹奏楽シンフォニック・ポップスは多彩になったと思います。以前は「ミュージック・エイト」か「ニューサウンズ・イン・ブラス」のどちらか、という2大巨頭くらいしか選択肢がありませんでしたから。
 そんな多様化した分野を俯瞰してみよう、というのが選曲(とバンド選択)の狙い。NHKなので具体的な出版社名を出すことは出来ないのですが、割と多岐に渡るアレンジ傾向を紹介できたのではないかと思います。

 「この素晴らしき世界」は、「スクールバンド用に編曲されたものを、スクールバンドが演奏している」という点で選択。
 ちなみに演奏している向陽台高等学校(現在は早稲田摂陵高等学校)のバンドは、阪急百貨店少年音楽隊にルーツを持つバンド。この意味からも、最初に持ってくるのにふさわしいセレクトだったと言えるでしょう。
 編曲は、スクールバンドが演奏できるレベルの編曲を提供している新興勢力・ウインズスコアのもの。

 「エル・クンバンチェロ」は、同じくスクールバンドが演奏することを前提としてレベルで書かれている編曲で、一番メジャーなミュージック・エイトのもの。この曲はニューサウンズ版もよく演奏されるので、この種の編曲の特徴(演奏が容易)の比較という意味でも面白いかと思いました。
 演奏は、東京佼成ウインドオーケストラ。スクールバンド向けをプロバンドが演奏するとどうなるか、という点にも注目。

 「イパネマの娘」は同じくミュージックエイトの編曲だけど、必ずしもスクールバンドを意識していないという点で新機軸を打ち出したシリーズ。
 何と言っても編曲に作家の個性が如実に反映されているのが面白いところ。これは他のミュージック・エイトの曲やウインズスコアの曲にはあまり見られない特色。
 演奏にSaxのフィル・ウッズとハーモニカのトゥーツ・シールマンスという、世界的巨匠が参加しているのも重要(まぁ、後から重ねて入れたものですが)。

 「私のお気に入り」は、同じく編曲者の個性が光る編曲。ニューサウンズは絶対に紹介しないといけないものなので、その中から。
 また、このシンフォニック・ポップスを特集している中に岩井直溥の演奏が入っていないのは、画竜点睛を欠くというものでしょう。

 「ルパン三世のテーマ」は、同じくニューサウンズからですが、スタジオ・ミュージシャンなど、ポップスに精通しているプレイヤーが多数集まって結成している大江戸の演奏で。やはり演奏に対するアプローチの仕方の違いが、よく分かるものになっています。


 ということで、「ポップス」という大まかな中に

・演奏の難易度を考慮した別
・編曲にどれほど編曲者の個性が出るかという別
・演奏しているのがどういう人なのかという別

 という3つのポイントを見て、広く紹介してみました。

 本当は、「私のお気に入り」と「ルパン三世のテーマ」の間に、The WIND WAVEの演奏によるミシェル・ルグラン「キャラバンの到着」も考えていたのですが、時間の関係で割愛。
 これは、ポップスを演奏することを目的として作られたプロのバンドで、小編成であることから、佼成と大江戸の間を埋めるものとして入れたかったのですが。

 選曲意図と「ポップス・ステージの名曲・名演」というタイトルの間に乖離が見られるように思いますが、これはこちらの事情ということでお察し下さい。
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