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NHK-FM「吹奏楽のひびき」の記録です。 非公式ページですので、悪しからず。
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 第58回目放送は下記の曲でした。

 - 深まりゆく秋に寄せて -

「落葉」              ウォーレン・ベンソン作曲
                      (11分50秒)
       (吹奏楽)イーストマン・ウィンド・アンサンブル
              (指揮)ドナルド・ハンスバーガー
    <CENTAUR RECORDS CRC-2014>

「秋空への賛歌」               保科 洋・作曲
                      (10分15秒)
                (吹奏楽)神奈川大学吹奏楽部
                     (指揮)小澤 俊朗
          <ブレーン株式会社 BOCD-7477>

「行進曲“秋空に”」             上岡洋一・作曲
                       (2分20秒)
       (吹奏楽)イーストマン・ウィンド・アンサンブル
              (指揮)ドナルド・ハンスバーガー
             <東芝EMI TOCZ-9301>


 「秋」にちなんだ曲を採り上げてみよう、という回。

 ベンソンの「落葉」は名曲と言われながらも収録されているCDがこれしかなく、聴いたことがない人も多いかと思い紹介しました。同じCD(名盤です)に紹介されているもう1つの名作、ハワード・ハンソン「ディエス・ナタリス」は録音が割りと多いだけに、知られていないのは残念。

 それに対し日本の秋を、ということで保科洋の作品を。

 「秋空に」は定番中の定番ですが、その人気となったきっかけの名演で。この演奏、意外と聴いたことが無い人も多かったのでは。
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 第54回目放送は下記の曲でした。

 - 海外の作品から~レックス・ミッチェルの音楽 -

「大草原の歌」           レックス・ミッチェル作曲
                       (6分45秒)
     (吹奏楽)東京アカデミック・ウィンド・オーケストラ
                     (指揮)汐澤 安彦
             <東芝EMI CZ28-9119>

「序奏とファンタジア」       レックス・ミッチェル作曲
                       (6分25秒)
            (吹奏楽)東京シンフォニック・バンド
                     (指揮)汐澤 安彦
          <日本コロムビア COCG-13098>

「コンサート・ミニアチュア」    レックス・ミッチェル作曲
                       (5分35秒)
           (吹奏楽)東京佼成ウインドオーケストラ
                     (指揮)手塚 幸紀
          <日本コロムビア COCG-13097>

「祝典讃歌」            レックス・ミッチェル作曲
                       (6分20秒)
                (吹奏楽)ヤマハ吹奏楽団東京
                     (指揮)高倉 正巳
          <CBS SONY 32DG-5028>


 「古き佳き時代の吹奏楽」も採り上げていきたいと思っているのですが、その一環としてR.ミッチェルの特集を組んでみました。

 御年80歳になったばかりのミッチェルですが、日本では一部の作品のみが知られていて、その人となりや経歴は知らない人も多かったのではないでしょうか(今年で80歳だ、って知ってましたか?)。

 日本では音源が知られている曲しか演奏されない傾向が強いので、ミッチェルの作品と言っても知られているのは、せいぜい「海の歌」「大草原の歌」「序奏とファンタジア」「スターフライト序曲」「コンサート・ミニアチュア」という順の知名度での5曲程度でしょう。あとは、ちょっとコンクールに詳しい人が今回流した「祝典讃歌」を知っているくらい。
 実のところ、ミッチェルには40曲近い吹奏楽作品があり、「日本で有名な曲」に勝るとも劣らない内容の曲もたくさんあります。ぜひそうした作品も演奏されるように(録音されるように)なってほしいものです。

 近年、ヨーロッパの作品や邦人作品の流行に押されて、「古きアメリカの吹奏楽の古典」が演奏されなくなってきているように思います。
 ヨーロッパや日本の作品もレパートリーとして開発されていくのは良いことだと思いますが、少なくとも「教育的目的」で作曲された作品という意味では、アメリカのそれ用のレパートリーは、他の追随を許さない「目的の達成」をしていると思います。
 特に「作曲家」というよりは本業が「音楽教育学者」であるミッチェルの作品は、その目的にふさわしいものとなっています。
 スクールバンドの指導者で、「古き佳き時代」を知らない世代の方は、こういった作品にも触れてみて頂きたいと願っています。

 ちなみに、R.ミッチェルのwebサイトがあります。

 http://www.digitaldrawers.com/rexmitchell/index.htm

 ここでは、色々な作品が紹介されていて、楽譜の出版状況も分かりますし、未出版のものも問い合わせをすることが出来ます。
 一部音源を聴くことができるものもありますので、一度ご覧になって見て下さい。
 第44回目放送は下記の曲でした。

 - 聖アントニーのコラール -

「ディヴェルティメント 変ロ長調 Hob.2-46から
                  第2楽章」伝ハイドン作曲
                       (2分20秒)
              (管楽合奏)リノス・アンサンブル
  <CAPRICCIO Capriccio C67069>

「聖アントニー変奏曲」         ウィリアム・ヒル作曲
                      (10分40秒)
   (吹奏楽)カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校
                   ウインド・アンサンブル
                  (指揮)ウィリアム・ヒル
     <ソニー・レコード SONY SRCR-8911>

「すべて真実なこと」       マーク・キャンプハウス作曲
                      (13分10秒)
        (吹奏楽)武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブル
                  (指揮)レイ・クレーマー
     <ソニー・レコード SONY SRCR-2538>


 今年はハイドン・イヤー。5月31日が没後200年に当たります。
 なので、ハイドン特集でもやろうかと思ったのですが、ハイドンにはハルモニームジークはありますが、いわゆる「吹奏楽」した曲はありません。
 折しも6月15日はスペインのリスボンでは聖アントニオ祭が行なわれます。前回がスペイン特集だったこともあり、いわゆる「ハイドンの主題」として知られている「聖アントニーのコラール」の特集としてみました。

 ブラームスが「ハイドンの主題」とした「聖アントニーのコラール」を含む「ディヴェルティメント Hob.2-46」(フェルトパルティ)は、その後の研究でハイドンの作ではない、と言われています。
 木管五重奏で演奏されることが多いこの曲、元々の編成は管楽八重奏(ハルモニームジーク)なのです。八重奏で演奏している音源は非常に少ないので、珍しかったのではないでしょうか。

 そして、「聖アントニー」と言えば、欠かすことのできないのがヒルの曲。今回はいわゆる原典版(全曲版)の自作自演盤で。これも今やレア音源になってしまいましたが。
 日本では「セント・アンソニー・ヴァリエーション」とも呼ばれますが、「アントニー/アンソニー」はいいとして、「ヴァリエーション」と書かれている部分は、元のタイトルでは「ヴァリアンツ」なのです。今回は「変奏曲」にしておきました。
 ちなみに、ミュージック・エイトから楽譜が出版されている、作曲者公認のいわゆる「天理カット」。あれは元々は天理高校が最初にやったのではなく、文教大学がやったのだ、というのは意外と知られてないかもしれませんね。最後にコラールが帰ってくる壮大なエンディング、実によく書けていると思うのですが、それもそのはず、あの部分を作ったのは柳田孝義先生(作曲家・文教大学教授)なのです。納得。

 「すべて真実なこと」は、とても素晴らしい作品なのに、日本ではあまり注目されてないのが残念な一曲。
 「聖アントニーのコラール」が使われていますが、そもそもはノース・ウェスタン大学のアルマ・マター(校歌のようなもの)が、この旋律と同一だったから、という面白い経緯があります。
 なぜにノース・ウェスタン大学かと言うと、この曲は同大学で教えていた著名な吹奏楽指導者ジョン・ペインターの追悼のために書かれているから。
 タイトル「Whatsoever Things」は、同大学のモットーから採られていますが、そのモットー自体は新訳聖書「フィリピの信徒への手紙」の引用です。
 ソニーのCDでは「すべての真実なこと」と訳されていますが、今回はカトリック共同訳聖書実行委員会の訳に倣いました。

 エンディング・テーマがカットされていたことからも分かるように、今回は時間がギリギリだったため、こうした事項が解説できなかったのも残念です。

 更に時間があれば、伊左治直「夕焼けリバースJB急行 〜ハイドン・ヴァリエーション・メタモルフォーゼ」も流したかったのですが、残念。
 第41回目放送は下記の曲でした。

 - アメリカの作曲集団BCMインターナショナル -

「エクウス」            エリック・ウィテカー作曲
                       (9分00秒)
                   (吹奏楽)東京吹奏楽団
                (指揮)エリック・ウィテカー
     <ベーシック・ビデオ・アーツ BCD-20103>

「トランゼンデンタル・ダンス・オブ・ジョイ」
                   ジェームズ・ボニー作曲
                       (5分50秒)
              (吹奏楽)ウインドアンサンブルX
                   (指揮)ミルト・アレン
   <BCM INTERNATIONAL BCM
           INTERNATIONAL 2004>

「ムーン・バイ・ナイト」     ジョナサン・ニューマン作曲
                       (4分05秒)
           (吹奏楽)おかやま山陽高等学校吹奏楽部
                  (吹奏楽)六条院吹奏楽団
                     (指揮)松本 壮史
          <ブレーン株式会社 BOCD-7174>

「メタ・マーチ」       スティーヴン・ブライアント作曲
                       (4分05秒)
      (吹奏楽)タールトン州立大学ウインドアンサンブル
                (指揮)ジョナサン・フーパー
   <BCM INTERNATIONAL BCM
           INTERNATIONAL 2004>


 一昔前に「ゴースト・トレイン」などで人気になったウィテカー、そして「スウィート・ドリームス」や「レイディアント・ジョイ」、「アクシス・ムンディ」などで注目を集めているブライアントなどが所属する「BCMインターナショナル」を特集しました。

 コリリアーノ門下を中心に、アメリカの現代音楽によくあるスタイルである「サブ・カルの要素を盛り込んだ現代音楽」を、巧みなセンスで吹奏楽上に展開しているグループです。

 その作品の多くは、彼らのwebサイト(特に、そこからリンクされている個人個人のサイト)で音を聴くことができます。


 色々調べてみたら、あまり知られていない面白いエピソードがありました。

 「BCM」が何の略か、というのは秘密にされています。それについてメンバーが語ったインタビューの記事や、フォーラムでのやりとりでは、彼らの茶目っ気っぷりが伺えます。

 また、メンバー中、ボニーだけがジュリアード卒ではないのですが、彼がメンバーとなった経緯も面白いです。

 ちなみに、ボニーだけは、どんな資料をひっくり返しても生まれた年が出てきませんでした。
 そこで、JWECC代表でもあり、彼らと親しい仲田守さんに、直接訊いてもらいました。有り難うございました(ちなみに1970年生まれだそうです)。


 最近は、ブライアント以外のメンバーは吹奏楽以外の分野の方にスイッチしてきてるとのこと。
 それは残念なことですが、やがて他分野の経験を生かした吹奏楽作品を書いてくれることを願っています。
 第21回目放送は下記の曲でした。

 − ラウタヴァーラの“受胎告知” −

「オルガン、金管群とシンフォニック・ウインド・
 オーケストラのための協奏曲“受胎告知”」ラウタヴァーラ作曲
                      (27分15秒)
                 (オルガン)カリ・ユッシラ
       (吹奏楽)ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団
               (指揮)レイフ・セーゲルスタム
   <ONDINE(フィンランド輸入盤) ONDINE
                     ODE869−2>


 
 今回は冒険でした。
 今月に80歳の誕生日を向かえたフィンランドの巨匠ラウタヴァーラの大曲1曲だけをご紹介しました。

 何故この曲か。

 ラウタヴァーラは良くも悪くも、ピアノや室内楽、オーケストラや合唱でよく話題となる《大家》です。
 吹奏楽の世界が放っておくはずもなく、ラウタヴァーラの曲を組み込んだCDというのがCHANDOS盤など幾つか出ています。
 が、それら「我らの時代のレクイエム」や「兵士のミサ」などは、金管アンサンブル曲なのです。
 ラウタヴァーラには吹奏楽編成(+独奏)のこの曲があるのに、その存在は無視され続けていました。
 理由は、放送を聴いて頂いた方なら分かるはず。編成とは裏腹に実に「吹奏楽らしくない」曲なのです。どこまでも続くスタティックな音響世界。特にカタルシスがあるわけでもなく、静かにそのまま終わる長大な曲。
 しかし、よくよく聴けば、管楽器による繊細なトーンクラスターが、オルガンのそれと同化し、どこで入れ替わっているのか分からないような、微細な音響推移が見事な作品です。

 いわゆる吹奏楽的嗜好からは評価が低いかもしれませんが、実に革新的な作品だったと思います。
 そして、この曲を紹介するには「80歳の誕生月」というこのタイミングを逃すと、もう二度と機会がないはず。そこで、NHKにちょっと無理をお願いして、この曲だけで一回分を放送させて頂きました。


 この曲を聴いたことで、吹奏楽畑の人が無意識のうちに「吹奏楽的なもの」という典型を作ってしまっていることに気付いてもらえたら、と願っています。


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